『さあ、才能に目覚めよう』自分の強みを知るヒント

『さあ、才能に目覚めよう』自分の強みを知るヒント

「あなたの強みは何ですか?」と聞かれるのが一番嫌いです。

就職活動や転職活動、社内面談などで、この質問に苦しめられた人も多いのではないでしょうか。

自分の強みを知るには自己分析をなどと言われますが、私が思うにそれも結局主観性からは逃れられないし、本人申告の強みにどれほどの信憑性と意義があるというのか、と思ってしまう。

(いやそれは自己分析力を見てるのだよというのはわかるけども)

『さあ、才能に目覚めよう』は、自身の強みを発見するために開発された診断テスト〈ストレングス・ファインダー〉の解説書です。オンラインでストレングスファインダーを受けられるアクセスコードが付属しています。

私はわりと幸いなことに、これまでに勤めた2つの企業で入社時にこの本を渡され、ストレングスファインダーを受けるように言われました。

これはつまり各自の強みに着目しながらチームとして成果を出す意識が社内にあるということで、そうした職場はそうではない職場に比べて明らかに働きやすさが違います。

これまで過去10年間で、上記2回を含めて合計3回ストレングスファインダーを受けました。

本記事は、自分の強みを客観的に測定してみたい方に、また、複数回ストレングスファインダーを受けると結果がどのように変わるのか(もしくは変わらないのか)に興味がある方に、参考にしていただければ幸いです。

ストレングスファインダーとは

〈ストレングス・ファインダー〉とは、アメリカのギャラップ社の研究に基づいた強みを発見するためのオンラインテストです。

合計180の設問に、各問20秒以内で答えます。

ストレングスファインダーでは34の資質が言語化されていて、設問にすべて回答し終えると「あなたの資質TOP5はこれです」というレポートが出ます。これが、自分の強みです。

ギャラップ社はアメリカの世論調査会社で、1935年に設立されたアメリカ世論研究所を前身としています。ギャラップ社による精度の高い調査はギャラップ調査と呼ばれ、アメリカでもっとも信頼性が高いとされています。

ストレングスファインダーの34の資質

ストレングスファインダーで言語化されている34の資質は以下の通りです。

実行力
影響力
  • 達成欲
  • 公平性
  • 目標志向
  • アレンジ
  • 慎重さ
  • 責任感
  • 信念
  • 規律性
  • 回復志向
  • 活発性
  • 競争性
  • 自我
  • 指令性
  • 最上志向
  • 社交性
  • コミュニケーション
  • 自己確信
人間関係構築力
戦略的思考力
  • 適応性
  • 共感性
  • 個別化
  • 運命思考
  • 調和性
  • ポジティブ
  • 成長促進
  • 包含
  • 親密性
  • 分析思考
  • 着想
  • 学習欲
  • 原点思考
  • 収集心
  • 戦略性
  • 未来志向
  • 内省

ストレングスファインダーの受け方は3通り

ストレングスファインダーの受け方は以下の3通りがあります。すべて有料です。

  • 書籍に付属のアクセスコードを利用する
  • ギャラップ社のサイトで直接購入する
  • スマホアプリで受ける

書籍に付属のアクセスコードを利用する

冒頭で紹介した『さあ、才能に目覚めよう』の書籍には、ストレングスファインダーを受けられるアクセスコードが付いています。

この場合、書籍代=テスト代という形になるので、初めてストレングスファインダーを受ける方は各資質を理解するうえでも本書を購入するのが一番良いと思います。

アクセスコード付きの書籍は他に『ストレングス・リーダーシップ』があります。

『ストレングス・リーダーシップ』はチームをまとめるマネージャー層向けの内容となっていますが、受けるストレングスファインダー自体は同じです。

書籍のアクセスコードを使ってストレングスファインダーを受ける場合、自分の資質TOP5が開示されます。すべての資質の順位を知りたい場合は、ギャラップ社のサイトでアップグレードを購入することで開示ができます。

アップグレード料金:¥6,080(2023/2時点)

ギャラップ社のサイトで直接購入する

書籍を買わなくても、ギャラップ社のサイトで直接支払いをしてストレングスファインダーを受けることもできます。

ギャラップ社 ストレングスファイダー購入画面(日本語)

以下の3種類があります。(価格は2023/2時点)

  • 34のすべての資質を知る ¥7,350
  • 上位トップ5を知る ¥2,650
  • アップグレードする ¥6,080

アップグレードは、以前にストレングスファインダーを受けて上位トップ5はわかっている人向けにすべての資質ランキングをオープンにするものです。

スマホアプリを使って受ける

スマートフォンアプリを使ってテストを受けることもできます。

アプリのダウンロードは無料ですが、ストレングスファインダーは有料です。

Gallup Access

Gallup Access

Gallup, Inc.無料posted withアプリーチ

テストを受ける場合はアプリ内課金となりますが、料金がウェブサイトと異なる可能性があるのでご注意ください。

ストレングスファインダーは強みではなく才能を測定する

先ほどから何度も「強みを発見」と書いていますが、ストレングスファインダーが測定するのは実は「強み」ではなく「才能」だと本書では説明されています。

強みを教えてくれるわけではなく、伸ばしたら強みとなる才能(資質)を提示してくれるものです。

ストレングス(強み)ファインダーと名付けられたのは、才能を測定することによりその人の真の強みを築くことにあるため。

本書でも説明されていて、私たちも実感している事実は、人には才能の差があるということです。

才能を努力で埋め合わせることはできなくはないが、もともと才能があってさらに努力もする人に、才能のない人が努力だけで追いつくことは困難です。

「努力すれば、何にでもなりたいものになれる」
私も若いころ、この格言を信じていた。

『さあ、才能に目覚めよう 新版』(日本経済新聞出版社 14ページ)

このあとに続くのはもちろん、「努力だけではどうにもならないことがある」という現実です。

人は努力することができるし、スキルをあとから身に付けることもできますが、才能自体を新たに身に付けることは非常に難しいことなのです。

本書は何が言いたいのかというと、自分が持っている高い才能を活かして戦おうということ。

最も成功している人は、その人が持つ高い才能を起点にしてスキルや知識を身に付け、練習を積んでいる。こうすれば、才能は何倍にも増幅して開花するのだ。

『さあ、才能に目覚めよう 新版』(日本経済新聞出版社 22ページ)

目指されているのは、自分の才能を考慮せずに人生の方向性を決めたり努力したりするのではなく、自分の才能を認識しそれを活かすような努力を行うことで強みを築こう、というものです。

だから、できる限り早く自分の才能を見つけて伸ばすことが大事だし、周囲の人たちが才能を伸ばすために手助けすることも重要だと本書では述べられています。

複数回ストレングスファインダーを受けると診断結果は変わるのか

ストレングスファインダーを複数回受けると結果は変わるのか。

私は過去10年間に3回ストレングスファインダーを受けたので、参考までに結果の変遷をお見せしたいと思います。

約10年前:
アレンジ・回復志向・適応性・個別化・達成欲

約7年前:
アレンジ・責任感・適応性・共感性・内省

約2年前:
調和性・学習欲・原点思考・アレンジ・個別化

どうでしょう。

3回すべてに共通しているのはアレンジ。2回に共通しているのは適応性と個別化です。

それ以外の資質は入れ替わっていますが、資質から連想できるイメージでは「そこまで変わっていない」という印象を受けています。

多くの人はそうだと思いますがTOP5の資質のグループは偏っていて、私は「影響力」のグループの資質は出たことがありません。影響力の才能は一切ないと言って良いでしょう。笑

3回の診断結果を踏まえると、複数回ストレングスファインダーを受けると上位TOP5のうちいくつかは入れ替わるかもしれないが、その人の性質が大きく変わるような結果は出ない、というところかなと思います。

私はたまたま複数回ストレングスファインダーを受ける機会がありましたが、基本的には1回受ければ十分なのかなーと思います。何回受けてもおそらく大きく変わることはないし、細かな結果の違いに振り回されることになってしまいそうなので。

ま、気分転換くらいにはやってみても良いのかもしれません。

まとめ:自分の強みを知ると、生きやすくなると思う

冒頭にも書いた通り、チームメンバーの強みを認識してそれを活かそうという意識のあるチームとそうでないチームでは、働きやすさが違います。

弱みに着目する上司・チームと、強みに着目してくれる上司・チーム。どちらがよりメンバーの力が発揮されるかは、調査結果などを説明されなくても想像がつきます。

そういう意味では、強みは自分で認識しておくことがまず大事ですが、周囲の強みを活かし自分の強みも周囲に活かされることが組織においては重要になってきます。

また、自分の強みの源泉となる才能を認識しておくことは、仕事面だけではなく「生きやすさ」にも関わってくると思っています。

例えが適切かわからないですが、病名のわからない症状に悩まされていくつも病院を回っている状態と、自分の症状に診断が下り病名が明確になったあとでは、心境もその後の行動も変わりますよね。

そうした「診断」に似たものが、ストレングスファインダーにはあるのかなと。

ストレングスファインダーなんてうさんくさい、信頼できないと思う人もいるかもしれませんが、このツールはギャラップ社による研究結果や調査データをもとに構築されています。

少なくとも、自分で自己分析するだけよりは客観的で信頼できると思います。おすすめです。

『さあ、才能に目覚めよう』書誌情報

書籍名:さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー 2.0
著者:トム・ラス
訳者:古屋博子
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2017年04月14日

  1. まず、あなたの強みを見つけよう
    「いばらの道」を選ぶな/ あなたは「強みのゾーン」にいるか/ 「才能」を「強み」にする/ 才能は、あなたに見出されるのを待っている/ 〈ストレングス・ファインダー〉を受ける
  2. あなたの強みを活用しよう ──34の資質と行動アイデア
    アレンジ/ 運命思考/ 回復志向/ 学習欲/ 活発性/ 共感性/ 競争性/ 規律性/ 原点思考/ 公平性/ 個別化/ コミュニケーション/ 最上志向/ 自我/ 自己確信/ 社交性/ 収集心/ 指令性/ 慎重さ/ 信念/ 親密性/ 成長促進/ 責任感/ 戦略性/ 達成欲/ 着想/ 調和性/ 適応性/ 内省/ 分析思考/ 包含/ ポジティブ/ 未来志向/ 目標志向

ストレングスファインダーのアクセスコード付き。

どのように行動すると強みとして活かすことができるかという「行動アイデア」や、各資質を持つ人との働き方もわかりやすくまとめられています。

「強みの活かし方」が資質ごとにわかる!
本書は、一気に読み進むこともできるが、今後何十年にもわたって、あなたの才能を開花させるための指針となるだろう。本書には、あなたの強みを活かすための何百もの戦略やアイデア、ヒントが詰まっている。

『さあ、才能に目覚めよう』(日本経済新聞出版社)
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